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チョコレートのこんな裏事情、知っていますか?

“考えて買う”ことをしなければ、悪事に加担することになるーー!?

 今年のバレンタインデーは、ベルギーのチョコレートメーカー、ゴディバが出した新聞広告が話題となりました。ご存知の方も多いでしょう。『チョコレートの交換は幸せの交換であって欲しい。だから誰かを不幸にするような義理チョコはもうやめよう』という趣旨の呼びかけでした。

 

 チョコレートは幸せを運ぶものーー確かにそうであって欲しいものですが、では、こんな事実をあなたは知っていますか?

チョコレートを買うと子どもの奴隷労働に加担することになる!?

 2015年9月、アメリカのカリフォルニア州で、3人の一般市民がメジャーなチョコレートメーカーの3社、ハーシー、マーズ、ネスレを告訴しました。訴えの内容はーーこれらチョコレートメーカーは、原料のカカオが子どもの奴隷労働によって作られていることをパッケージに明記していなかったために、私たち生活者は知らずに奴隷労働と人身売買に加担させられていたことになる。これは虚偽広告と公正取引に関する法に触れるーー。というものです。日本ではちょっと考えられないような内容の訴状ですが、世界では企業の不正を許さない風潮がこれだけ強まっているのです。

 

 イギリスのテレビ局BBCは、世界のカカオの70%が児童労働によって作られていると報告しています。正確にいうならば2016年のデータで、コートジボワール、ガーナ、カメルーン、ナイジェリアといった西アフリカの4カ国だけで世界に流通するカカオの71.6%を生産していますが、これらの国々のほとんどのカカオ農場で、子どもたちが働かされているのです。

 

ーー子どもを働かせるなんてこと、ちょっと昔の日本でもよくあったよねーーというレベルの話ではありません。子どもたちは貧しい周辺国から誘拐されてきたり、あるいは親からたったの50ペンス(約75円)程度で売られたりして集められてくるのです。農場では最初にすさまじい拷問が加えられ、まず服従することを覚えさせられます。夜明けから日没まで働かされ、夜は大小便をするための缶を腰につけられて小さな部屋に詰め込まれ、体を折り曲げ重なるようにしてどうにか眠りにつきます。報酬が支払われることなど、もちろんありません。

 

 こうした地獄のような日々を重ねるうち子どもたちは次第に、両親も兄妹も家も村も国も、言葉すら忘れてしまうといいます。そうしてやがて労働力として使えなくなると、ある日路上に捨てられるのです。西アフリカではこういうことが日常的に行われていて、毎年20万人にも及ぶ子どもたちが奴隷市場で売り買いされています。

 

 想像してみてください。もしも自分の子が拐われこんな目に遭ったとしたらーー。アメリカで訴訟を起こした3人の主張通り、悲しいことに、私たちがチョコレートを買うたび、子どもの奴隷労働と人身売買を助長することになるのは事実なのです。

『キッズファミリー・ぐぅちょきぱぁ』131号掲

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