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 こんにちは、あなたの『小さな国づくり』は順調ですか?

  子どもがある日突然泣いて登園を嫌がり出したら……。

「どうしたの?」「なぜ?」「何がイヤ?」と問い詰めたくなってしまいそうですね。でも、実はそれでは問題解決にならないのです。

 登園を嫌がる大きな原因のひとつが、子どものこころに疲れがたまってしまっていること。幼稚園に通い始めた子どもは、『初めて親から離れて過ごすこと』を毎日精一杯頑張っているんです。

「幼稚園、楽しい?」と訊けば幼児期の子どもの多くは「楽しい」と答え、「お友だちとは仲良くできてるかな?」と訊けば「仲良くできてる」と答えます。でもそれは、自分で自分のこころの状態を理解していないからなのかもしれません。

 言葉でうまくそれを表現できない子でも、こころの疲れがたまっていることはあります。子どもの様子の些細な変化から、隠れたこころの変調にも気づいてあげることが大事です。

 

 専門家によれば、泣いて登園を嫌がるようなときは問い詰めたりせず、まず共感や理解を示す言葉を優しくかけてあげること。嫌がることを無理強いしないこと。それから抱きしめてあげる、一緒にゆっくりお風呂に入ったり抱っこして寝るなど、しっかりスキンシップをとってあげることが、気持ちを安定させるのに効果的だとのことです。

 子どものエネルギーの源は、何よりもママであり家庭です。それを充分に理解してあげてください。ママが子どもとのコミュニケーションを普段からしっかり取れていれば、子どもの何気ない所作や表情、言葉づかいの中にもわずかな予兆を感じ取ることができ、大事になる前に子どものストレスに気づいてあげられるはずだと専門家はいいます。何より大事なことは、子どもとの普段の接し方、ふれあい方なのです。

 新生活が始まってわずか二六日。悲しいことに、仙台市でまたしてもいじめによるとみられる子どもの自殺が起きてしまいました。子どもを喪った家族を鞭打つ気持ちなどもちろんありませんが、こうした報道にふれるたびいつも、どうしてもこの疑問を拭い去ることができません。

 

 担任の先生は、そしてその子の家族は、どうしてその子が追い詰められていることに気づいてあげられなかったのでしょう?

 

 皆さんはお子さんのわずかな異変も察知できるほど、普段からお子さんとのふれあいを大切にし、コミュニケーションを充分取っていますか?

 

 子どもの悲しい事件がもうこれ以上起こらないように、子どもが追い詰められたり荒んでしまったりすることがないように、子どものこころに寄り添うこと、子どもとしっかりコミュニケーションを取ることをこころがけてあげてください。

 

 先々号、先号でもお伝えしてきましたが、私たち児童環境育成協会は『家庭を小さな理想の国に』を合言葉に、パパやママに家庭という小さな国の王様や大統領や総理大臣になっていただき、ルールを決め、きちんと国民(家族)を治めていただくことで、他所では教わることのできない大切なこと――挨拶から始まるコミュニケーション、正義を行う勇気、命の尊さ、他者を思いやるこころ等々――をしっかりと教え、楽しいイベントで絆を深めながら、皆さんそれぞれのご家庭を理想の国に創り上げていただきたいと訴えています。

 

 理想の国となった家庭で、心身ともに健全に育まれた子ばかりが学校に満ちたなら、そのときいじめや問題行動などはなくなっているはず。そんな子どもたちが成長して社会に満ちたなら、多くの社会問題もきっとなくなっているはずです。

 

 家庭が変われば社会は変わるのです。

 皆さんもご家庭内に王様か大統領か総理大臣を決め『家庭を小さな理想の国に』創り上げてください。お子さんが大人になる頃、理想の社会が実現していることをめざして。

『キッズファミリー・ぐぅちょきぱぁ』127号掲

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