​学校生活はサバイバル

「学校でいじめを見かけても、いじめられている子をかばっちゃ

ダメ。そんなことしたら次はあんたがいじめられるんだから」

 あるおばあちゃんは小学生の孫にそう教えたそうです。

 イギリス、オランダ、日本、3カ国の子どもたちを、小学4年生から中学3年までの6年間にわたって追跡調査したところ、イギリスとオランダの子どもたちには、中学になると間に入って止めようとする『仲裁者』が増え、黙って見ているだけの『傍観者』は減りました。

 

 ところが日本の子どもたちはそれとは逆に『仲裁者』は高学年になるにつれて減少し、逆に『傍観者』が増えることがわかったのです。(※1)

「先生に相談したけれど取り合ってはもらえなかった」

 

 いじめを受け自殺した生徒の遺書や保護者の証言にこうした言があったことも、今まで何度も報じられてきました。

 子どもたちはいじめに遭っても、友だちにも先生にも助けてはもらえず、自殺に追い込まれた後も誰も責任を取ろうとしてくれず、学校や司法によっていじめなどなかったことにまでされてしまうのです。(※2)

 いじめが社会問題としてクローズアップされたのは1980年代なかばの『葬式ごっこ』という事件からでした。この事件でひとりの中学生が自殺に追い込まれて以来30年間、国を挙げていじめがなくなるように取り組みが行われてきたーーはずでした。ところが2015年度、全国の学校によるいじめの認知件数は過去最多を記録したのです。

 

 冒頭のおばあちゃんの言葉は、学校で死ななたいためのいわばサバイバル術なのです。学校は今、子どもたちにとってそれだけ過酷で危険な場所になっていると言わざるをえません。

 なぜ私たち大人は、子どもたちを取り巻くこの過酷な状況をきちんと認識してこなかったのでしょうか。子どもたちときちんとコミュニケーションを取り、子どもたちのこころ、子どもたちが置かれた状況を理解しようとすることを、私たち大人はずっとどこかに放置してきたのではなかったでしょうか。

(※1)平成17年度「教育改革国際シンポジウム」子どもを問題行動に向かわせないために http://www.nier.go.jp/symposium/sympoH18/h17sympo18221j.pdf

(※2)93年に山形県新庄市で起こったマット死事件では、刑事裁判、損害賠償請求裁判ともに、学校側はいじめはなかったと主張、一審の地裁ではいじめを行った生徒たちは無罪となっている。後に高裁で有罪判決が下されている。

2015年6月、岩手県矢巾町の13歳の中学生が担任に提出する生活記録ノートに自殺を示唆する文章を書き付け(上)その後自殺した。このノートに記された担任からの返事は、生徒の救いを求める叫びを完全に無視するものだった。生徒は以前から再三にわたりいじめを受け苦しんでいることを担任に申し出ていたが、まったく取り合ってもらえなかった。担任教師は職務をまっとうしなかったとして、同校の校長、副校長とともに県教委から戒告処分を受けた。

毎日新聞 2015年

3歳児の過半数がアレルギー性疾患で苦しむ国

 厚生労働省は2016年、国民のふたりにひとりがなんらかのアレルギー性疾患に罹患していると発表しました。また東京都の調査によると、都内に住む3歳児のうち、アレルギー性疾患にかかっていると診断された子どもは約40%にのぼり、症状が認められた例をすべて含めるとその割合は55%にものぼるとのことです。

 

 幼い子どもを含めた日本人のふたりにひとりが、ぜんそくやアトピー性皮膚炎、花粉症などの症状に悩まされ、長い期間の投薬や通院にわずらわされ、食物アレルギーでは命の危険にすら晒される事態となっているのです。

 原因はいまだ明らかになってはいませんが、アレルギーが急増したこの50年間の変化と同じように利用が急増した加工食品、とりわけ、やはり50年前から使われだしたさまざまな食品添加物や、海外では使用が禁止された加工油脂(※3)のほか、あらゆる家庭用洗剤や芳香剤、化粧品等に使われる化学薬品の関与が疑われています。

アレルギー性疾患の有病率の推移

 ​右上のグラフはアレルギー性疾患の有病率の変化を表しています。それまではほとんどなかったアレルギー疾患が60年代なかばに認められると、そこから現在までの50年間で急激に増加していることがわかります。

 右のグラフは食費に占める加工食品の割り合いの推移です。65年にその割り合いが50%近くに達すると、そこから急激に増加しており、その様子は上のグラフとそっくりです。

 私たちが毎日買い物をするスーパーマーケットには、トランス脂肪酸やタール色素をはじめ海外で規制を受けているものを含む、さまざまな添加物を使った加工食品がいまだにたくさん並んでいます。

食費に占める加工食品の割合の推移

 たしかに国は添加物の安全性を評価し、さらに安全性を見込んだ上でその使用を認めていますが、(※4)しかしアレルギー疾患はじめ、その他にもさまざまな原因不明の障害が増えているという事実は現にあります。私たち自身の、そして私たちの子どもたちの健康が脅かされている以上、私たちは自衛を考えなくてはならず、そのためには国が定めた安全基準そのものや、企業の安全に対する考え方や姿勢すらも疑ってみる必要に迫られているのです。

 上の資料は厚生労働省が平成28年(2016年)にまとめたものです。​

 この資料によれば、平成17年(2005年)には何らかのアレルギー疾患に罹患している人は、日本国民の『3人に1人』でしたが、その6年後の平成23年には『2人に1人』にまで増えています。

 

 では2020年にはどうなっているでしょう。ちょっと予測してみてください。

 上の増加率をそのままあてはめるならば、その頃には日本人全員がアレルギー疾患に罹患しているかもしれない――という予測すら成り立ちます。

 2020年といえば東京オリンピックが開催されます。外国から大勢のゲストがやってきますが、その人たちがこの日本の実情を知ったらどう思うでしょう。​食べ物なのか住環境なのか、確たる原因は特定できないにしても、

 

「日本で暮らすと100%アレルギー疾患にかかる。なんて危険な国なんだ!」

 そう思うに違いありません。​

 日本人の衣食住を支えるメーカーは、このようなリスクと現実をいったいどう捉えているのでしょう。日本人は世界にも類を見ない汚名を被るかもしれず、その原因を作ったのが自分たちだということがいつか明らかになるかもしれないというのに、それでも何も手を打とうとは思わないのでしょうか。

        * * * * * * * * * *

 かつて、結核という病気によって毎年10万人を超える日本人が命を奪われていた時代、誰もがもっと手軽に抵抗力と回復力とを高めるための栄養を摂れるように、グリコーゲン入りのキャラメルを作った菓子メーカーがありました。そのメーカーこそ今では日本を代表する食品メーカーとなった『グリコ』です。

 日本人のカルシウム摂取量が必要とされる量に比べて著しく少ないと言われていた時代、日本人は脚気という病にも苦しめられていました。そうした時代を背景に、脚気予防の為のビタミンB1と、不足しているカルシウムとを国民に手軽に補給してもらいたいという願いから、小麦粉にエビを丸ごと練り込んだ菓子を開発し売り出した会社がありました。後にカルシウムとビタミンB1から取って社名を変えたその会社が『カルビー』です。

 いま食品メーカーは、これら二社のような志を持っているでしょうか

(※3)論文「トランス脂肪酸と健康」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/13/6/13_259/_pdf

(※4)厚生労働省 食品添加物についてよくある質問http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/qa_shohisya.html

​帰るべき場所ではなくなってしまった『家庭』

 深夜、中学生らしき子どもたちが自転車二人乗りでふらふら走っていきます。背伸びした髪型、派手目の服装は、幼さの残る顔に似合っていません。うしろの荷台にまたがった子が携帯で話し始めます。

「もしもし母ちゃん、晩メシある?」

 静まり返った住宅街でハンズフリーのスマホからは、母親の声もはっきり聞こえました。

「晩メシ? あるわけないでしょ!」

 深夜徘徊していても叱られもせず、夕食の用意もなされていないということは、その子には家に帰る理由がないということです。この子はこの後どこへ行き、どんな夕食を摂ったのでしょうか。

 外見から素行不良が疑われるこうした子どもたちばかりでなく、コンビニ前ではごく普通の子どもたちが塾帰りと思われる鞄を自転車のかごに入れ、日付が変わろうとする深夜までダベっている光景をよく見ます。このような子どもたちは、毎晩いったいどこで、どういう夕食をとっているのでしょう。

 家族と一緒に食事をとる機会が少なく、カップ麺や菓子パン、コンビニ弁当などをひとりで食べる『孤食』の多い子どもに、暴力や非行、無責任や無関心といった問題行動が多いことは、多くの研究者が指摘しています。成績優秀ないわゆる優等生が、塾通いを始め家族とともに夕食をとることができなくなり、それが引き金となって万引きで補導されたケースも報告されています。

 みんな一緒に、ひとつの食卓を囲んで食事をすることは、家族全員が何の心配もなく心の底から安心できる時間を共有すること。その日の出来事を話したり、何でもない会話を交わす中でコミュニケーションは深まり、互いに癒し合うこととなってそれぞれの悩みや苦しみは軽くなり、精神が安定し、生きる力が回復します。家族みんなで食事をする団らんの時間は、誰にとっても生きる上で不可欠な、何より大切な時間なのです。

 ところが現実には家族で一緒に食事をとる『共食』の回数は減少傾向にあり、ひとりで食事をする『孤食』が増えているという実態が報告されています。

 塾通いのために家族と晩ごはんが食べられなくなっている子どもばかりでなく、一家のお父さんたちの中にも、会社が終わってもひとりゲームセンターに立ち寄ったり街角でスマホをいじるなどして時間を潰し、なるべく帰宅時間を遅くしようとする人が増えているといいます。こうした人たちの行動は『帰宅恐怖症』と呼ばれ、社会問題化しています。

 家族がいちばん家族らしく過ごせる時間が、一緒にごはんを食べる団らんの時間です。子どもにとっても親である大人たちにとっても、そうした時間が減っていることは、心と体に悪影響を及ぼし、自ら家庭と距離を置こうとする悪循環を招いているのかもしれません。

 世界で3番目にたくさんお金を稼ぐ国でありながら、自殺率は世界で6番目、15歳から39歳までの全年齢階級で死因の1位が自殺、事故よりも自殺で死ぬ数の方が多い世界で唯一の国。国連による幸福度ランキングは先進七カ国中最下位・・・・・・。

 こうした悲惨な現実を生み出しているのは、家族の関係が希薄になり、家庭が以前のような機能を果たさなくなったことと関係があるのではないでしょうか。

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